AIとデータで何でも分かると思っていたら、現地の看板に負けた話

AI・自動化,未分類

最近、ある歯科医院のホームページを改修している。

ホームページを直すだけではなく、Search Consoleでどんな検索キーワードから来ているのかを見たり、GA4でアクセスを確認したり、LINE予約への導線を作ったりしている。

最近はAIにもかなり手伝ってもらっているので、検索データを見せながら、

「このキーワードはどうだろう」

「このページを直した方がいいんじゃないか」

みたいなことも普通に相談する。

便利な時代になった。

実際、かなりいろいろなことが分かる。

どんな言葉で検索されているのか。

何位くらいに表示されているのか。

どのページを見ているのか。

どこから予約画面へ進んでいるのか。

こういうことは昔から数字では見えた。

ただ、その数字を集めるのが大変だった。

今は計測の仕組みさえ作っておけば、かなりの部分を自動で集められるし、その整理や分析までAIに手伝わせることができる。

なので、わりと分かった気になっていた。

ところが先日、その歯科医院へ行った。

院長と話をして、帰り際にふと外の看板を見た。

そこで気づいた。

ホームページで使っている医院名と、看板に書いてある名前が違う。

正確には、まったく別の名前というわけではない。

ホームページでは「○○デンタルクリニック」という名前を使っているのだが、道路から見える看板には、全部「○○歯科」と書いてある。

受付のまわりも、外の看板も「○○歯科」。

「○○デンタルクリニック」と書いてあるものもあるにはあるが、普段患者さんが目にするのは、圧倒的に「○○歯科」の方だった。

「ああ、そっちで覚えている人も多いよな」

と思った。

考えてみれば当たり前である。

近所の人が、

「そういえばあそこに歯医者あったな」

と思って検索するとき、ホームページに書いてある正式名称を入力するとは限らない。

毎日通勤途中に見ている看板の「○○歯科」で検索するかもしれない。

人から、

「あそこの○○歯科がいいよ」

と聞いて、その名前で検索するかもしれない。

でも、Search Consoleだけ見ていると、その背景までは分からない。

検索された文字は分かる。

クリック数も表示回数も分かる。

順位も分かる。

でも、

「なぜその言葉で検索したのか」

までは書いていない。

AIに聞いても同じである。

与えたデータの中から考えることはものすごく得意だ。

こちらが思いつかなかった可能性まで出してくれる。

ただし、そもそもこちらが知らない事実は渡せない。

医院の前にどんな看板が立っているか。

近所の人がその医院を普段なんと呼んでいるか。

道路を走っている人の目に何が入っているか。

そういうものは、最初からデータの中に入っていなかった。

つまり今回、AIが間違っていたわけでも、アクセス解析が役に立たなかったわけでもない。

単純に、

見ていた世界がデータの中だけだった。

現地へ行って看板を見た瞬間、その外側が見えた。

ちょっと悔しい。

GA4を見て、Search Consoleを見て、AIとあれこれ分析していたのに、最後は道路脇の看板一枚に教えられた。

もちろん、だからデータ分析なんかやめて現場へ行こう、という話ではない。

データを見なければ分からないことも山ほどある。

現地へ行っただけでは、検索順位もクリック数も分からない。

たぶん両方いる。

データから見えるものと、実際にその場所へ行かないと見えないもの。

最近はAIのおかげで、データの中から何かを見つける能力はものすごく上がった。

だからこそ逆に、

まだデータになっていないもの

を見落としやすくなるのかもしれない。

とはいえ、できれば現地なんか行かずに全部分かるようになってほしいんだけどね(笑)。